社長のご指名
「ずっと好きでいてくれますか?ずっと好きって言ってくれますか?」




正気に戻った海堂社長は優しく微笑んでくる。





「はぁ〜…よかった。好きです。おかしくなるほど…。」





頭を胸に抱き寄せられ、素直に預ける。





海堂社長の心臓の音がハッキリ聞こえる。





私と同じ音がする。





「近いうちに家族になりましょうね。」


「…はい。」





もう、この人には敵わない。





いっつも気持ちをストレートに伝えられ、私はドキドキしっぱなし。





「もう離しません。別れてなんてあげません。鳴海さんと紗衣ちゃんは僕のものです。」





恥ずかし過ぎて顔が熱くなる。





懐かしい気持ち―――…。





こそばゆくて、嬉しくて、何か言いたいけど纏まらなくて言う事が出来ない。





でも、あなたが素直で直球過ぎるから私も素直になれるの。




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