秘恋
「…あれ?……なんで…あたし…
涙なんか……」
「行くぞ!!」
急にあたしの腕を掴んで
無理やりに引っ張っていく。
なんでコイツには
全てバレてしまうんだろう。
どんどん前に進んでいく彼。
力強い腕だった。
いつもは弱い
ダサメガネのくせに。
気が付けば殺風景な
知らない小さな公園に来ていた。
そのまま
古びたベンチに連れて行かれ、
無理やり座らされた。
「お前、あの男に会ったんだろ。
なんか悪かったな」
「…なんで謝るの?」
「俺があんなところに
連れて行かなかったら
よかったんだよな」
「そんなことない…」
あたしはそれしか言えなかった。
きっとあそこで会ったのは
仕方が無かったこと。
それにいつかは振られる運命が
少し早まっただけのことだ。
きっと、そういう運命。