ひとりがさみしいなら
「―――――そーよ、私もともと葉月裕貴なんて好きじゃない。
むしろ大っ嫌い」


―――――!!
「じゃあなんで・・・」



「だからー言ったでしょ?
“うざいから”よ」


うざい・・・!?

「ゆ、裕貴くんがマネのあなたに何をしたって言うの!?
何か不満あるならあたしに言いなさいよッッ!!」

なんか、口が勝手に動いてた。



「・・・さっきの男達、葉月と同じサッカー部員なのよ。
その男達が、“葉月が上手いからむかつく”って言い出したのがきっかけ。
で、私・・・小6までサッカーやってたのに!!!」


え・・・
小結菜ちゃんがサッカーやってた・・・!?


「サッカーのクラブチーム入ったりして・・・
私の他に男子しかいなかった。
だけど私、男子に負けない実力もってたの・・・!!
でも試合中に大怪我して、サッカーは断念。
“ドクターストップ”ってやつ??
だから・・・むかつくの!!
ああやって私の痛みも知らないで無邪気に頑張る奴が!!
だかた私も・・・葉月裕貴をこらしめてやろうと思ったのよ・・・!!」


小結菜ちゃん・・・。

「ごめんあたし・・・何も知らなかった・・・。
でもだからって、裕貴くんを傷つけるのは間違ってると思う!」

あたしには何もわかんないけど

だけどせめて、思いだけは伝わってほしいんだ・・・。
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