ひとりがさみしいなら
小結菜ちゃんは、あたしの台詞に対して“ふん、あんたに何がわかんのよ”と言ってさっさと学校へ向かってた。

「裕貴くーん!!!」

今、あたしは裕貴くんを見つけた。
早起き+早く家を出てよかった。
まだもうちょっとだけ時間ある。

「あ、萌香・・・」
「裕貴くん!!この前もらったラブレター見せて!!!」
「え・・・」
・・・あ。
人の手紙見せてなんて、あたし嫌な女・・・!!
だけど、小結菜ちゃんがあんな事言うんじゃ・・・
内容、気になる。
「・・・別にいいけど」
わぁい♪

【葉月裕貴くんへ
突然手紙なんてごめんなさい
私、ずっと前から葉月くんが好きでした
葉月くんは私の事好きじゃないですよね
わかってます
だけど、自分にけじめをつけるために出した手紙です
私をフッてくれれば、それなりにあきらめもつくんです
なので、お願いします
私をフッてください
お返事―――お待ちしてます
沢田小結菜】

・・・あたしにはわかる。
この手紙―――絶対“ピュアな女の子”演出してる!!
だから、マイナス思考な事書いてんだよ。

「っ裕貴くん!!
このラブレター全部嘘!!
仕組んでるんだよ、全部!!
沢田小結菜と、サッカー部の連中が!!」

「は・・・!?」

いきなり何言ってんのあたし。
だけどでも、仕組んでるっていうのはほんと・・・。

「・・・そうか。
教えてくれてありがとな。
萌香も早く学校行けよ、遅刻するぞ」

裕貴くん・・・。

「うん」

そう言ってあたしたちは各自学校へ向かった。
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