続・特等席はアナタの隣。
そして、朝。


「…モカ!」

もう朝だというのに、何度呼びかけてもモカは全然起きない。


モカは朝が弱いため、たいてい、こうしていつも俺が起こしている。

休みの日なら、自然と目が覚めるまで寝かせているけど、モカは今日午前中から講義があると言っていた。


昨日手ぶらで家に連れてきたので、モカをいったん家に送り届けないといけない。


「モカ!起きろって!講義行かなくていいのか?」

「うー…ん……」


しかし……唸るだけでやっぱり起きない。

そして、モカはうるさい俺から逃げるかのように、クルッと寝返りを打って背を向けた。

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