裏切り恋愛
――どのくらい経っただろう。
実由は目を覚ました。
あれ……あたし?
ここ、どこ……?
実由は見覚えのある家のベッドの上で寝ていた。
「起きたか」
小さな、か細い声が聞こえ、実由は声がする方を見上げた。
「っ……!圭、斗……?」
そこにいたのは圭斗だった。
ここは圭斗の家。
一瞬で蘇る、数時間前の記憶。
実由は一気に震えだした。
「あ、……あぁ……あたし……」
怖かった。
何が起きているのか、しっかり分かった。
それは、――レイプ――。
圭斗はただ黙って実由の頭を撫でていた。
「……圭斗……」
「……」
「なんで、いるの……?」
「……助けたかった、けど……無理だった」
圭斗は力の無い声でそう言った。