氷柱
単車のエンジン音が後ろから聞こえてきて、あたしの真横で止まった。


「珠輝!!」


あたしを呼び止めたのは…琢磨だった。


琢磨と、見た事の無い子たち五人。


「飯食った!?一緒に食いに行く!?」


さっきとは打って変わってハイテンション。


「いや、いいわ。」


忘れていた怒りが込み上げてくるのを必死に抑えていた。


琢磨の目の焦点が合っていないのがよく分かる。


俗に言う


『ガンギマリ』


の状態なのが良く分かる。


「んだよ!連れねえなあ」


琢磨の声を振り切るように、あたしは歩きだした。


これ以上琢磨を見ていたら、間違いなく殴る。


本当にぶっ殺してしまいそうで、怖かった。


「珠輝い-」


ナンパのように後ろを着いてくるのを、あたしは振り返らずに断り続けた。


「お前何キレてんの??」


琢磨の声が、変わった瞬間だった。
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