氷柱
「落合さんみたいな人、私嫌いじゃないの。」


優等生は真顔で言った。


「一人で居る事が平気な人と、私は一緒にいたい。」


この全く新しいタイプの女が、真っ直ぐあたしの目を見つめてくるものだから…


あたしも真っ直ぐ見つめ返した。


「一緒にいない?」


影仲恵理が、一言そう言った。


「居たけりゃ、勝手にいなよ。」


あたしはそう返した。


二時間くらい恵理と喋って、マクドナルドを出た。


久しぶりに女と喋って、楽しいと思えた。


楽だ、と思えた。


本当に少しだけ…世界の色が変わった。


だけど…だけど現実はすぐに戻ってくるもの。
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