氷柱
今にも泣き出しそうなその子に背中を向けて、昇降口を出た。


私の何がそんなに女心をくすぐるのか全く理解できない。


また今日も、くだらない1日が過ぎていく。


………………………………


「俺が思うに珠輝、それは…アレ!!お前のその眼光!!」


千明が大笑いしながら、褒めてもいないような事を言う。


「は?」

「だからお前の眼光、ジャックナイフみたいなさ」


何がそんなに面白いのか、笑いすぎて出てきた涙を一生懸命ぬぐいながら、千明は同じ事をもう一度繰り返した。


「潜在的に男?って言うかさ、媚びてないだろ。それが女からすりゃ、いいんだろうよ。」


潜在的な男にもなるだろうさ。


私の周りには、男しかいない。


彼氏とかじゃない、全部男の友達だ。
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