見えないお姫さま

真実




あの後すぐに自室に戻ってベッドに潜った。


「あら?アイリ様もうお休みですか?」

そこで部屋に入って来たのは、私の専属使用人のラナ。

きっとこの時間は部屋の掃除の時間だったと思う。


ラナと私は同じ16歳で、ラナはもう6年も私専属使用人をしている。

だから使用人ではあるけれど何でも話せる一番の親友でもある。


丁度いい喋り相手が来たと思い、布団の中で叫んだ。

「もうこんなお城嫌ー!」

「またですか?」

私がお決まりのセリフを叫べば、ラナの呆れた声がする。


私はいつも授業が嫌になるとラナに愚痴を言っている。

それが私のストレス発散方法。


でも今日は授業の事よりも…。

「いつもとは違うの!」

ガバッと被っていた布団を剥いでラナに向かって叫んだ。

ラナはほうきを持ち、部屋の隅から掃除を始めようとしている体勢で顔だけが私の方を向いていた。

「違う?」





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