同級生
一哉の教室に入った瞬間、視界に飛び込んだ女子生徒の姿。



一人はどうって事無い、ギャルっぽい奴だったけど、もう一人を見た瞬間、全身に弱過ぎる程弱い電気がゆっくりと走った。

『痺れる』とは程遠く、静電気よりも弱い電気。

手の痺れがあと数秒で取れそうな感じの、表面が軽くピリピリする感じ。

そんな感じだから歩く事も出来るし、話す事も出来る。

ゆっくりと消えていく電気を感じ、一哉に歩み寄りながら聞いた。

「女、居るんだな」

「ああ。どっちタイプ?」

一哉の言葉に息が詰まり、何も答えられないまま、二人の方に視線を向けた。


二人を交互に見ると言うより、ギャルっぽい奴じゃ無い、自分から見て左側に居る奴をジッと眺めていた。


少し重く感じる黒くて長い髪と、眉の少し上で切り揃えられている前髪。

髪が黒いせいか、やたらと色が白く見える。

遠過ぎて顔はハッキリとわからないけど、細身のシルエットはカナリタイプだ。



俺の視線に気付いたのか、黒髪の女と一瞬だけ目が合い、慌てて視線を逸らしている自分がいた。

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