イニシャルはKK
「歌音ちゃんは15歳?
5つ上なら、今その人は20歳だね。
響吾はもうハタチだよ」

「2浪ですか?」 クルミが喰い付くように訊いた。

「特別な事情があるみたい。
小っちゃな頃に病気でダブったのと…」

「と?」

「高校時代に荒れてたらしくてね。
一年留年してるんだよ。
あっ、この事はアイツには内緒ね」


岡本さんは終始穏やかな様子で話を聞いてくれた。
とても落ち着いた大人な人だ。

結局、クルミと私はファミレスでの食事をご馳走になり、そのまま家まで送ってもらった。


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