イニシャルはKK
お兄ちゃんに言われるがままオウム返しを続けていた私。
結局、お兄ちゃんの名前は分からないまま、イニシャルだけが独り歩きしてしまった。
「そうか。
じゃあ、お兄ちゃんを探すにはイニシャルがKKで5つ上の人、って事になるね」
岡本さんは私の話を笑いもせずに聞いてくれた。
「今はどこにいるか分からないの?」
「はい…。
どこか遠くへ引っ越したみたいなんです。
最後の日に『遠くへ行く』って言ってて。
引越の意味も分からない私に説明するのは大変だったと思うんですけど
『カノンちゃんが大きくなったら会いに来るから。それまで忘れないでね。絶対だよ?』って…」
話しながら私の目には涙が。
「そっか。早く会いに来てくれるといいのにね。
あっ! そう言えば響吾もイニシャルがKKだよ」
「そうなんですか?」
「ああ。あいつの名前、桐谷 響吾(きりたに きょうご)。KKだろ?」
「ホントですね。
でも、響吾さんは大学1年だから年齢が違いますよ」
私はやんわりと否定した。
結局、お兄ちゃんの名前は分からないまま、イニシャルだけが独り歩きしてしまった。
「そうか。
じゃあ、お兄ちゃんを探すにはイニシャルがKKで5つ上の人、って事になるね」
岡本さんは私の話を笑いもせずに聞いてくれた。
「今はどこにいるか分からないの?」
「はい…。
どこか遠くへ引っ越したみたいなんです。
最後の日に『遠くへ行く』って言ってて。
引越の意味も分からない私に説明するのは大変だったと思うんですけど
『カノンちゃんが大きくなったら会いに来るから。それまで忘れないでね。絶対だよ?』って…」
話しながら私の目には涙が。
「そっか。早く会いに来てくれるといいのにね。
あっ! そう言えば響吾もイニシャルがKKだよ」
「そうなんですか?」
「ああ。あいつの名前、桐谷 響吾(きりたに きょうご)。KKだろ?」
「ホントですね。
でも、響吾さんは大学1年だから年齢が違いますよ」
私はやんわりと否定した。