年上。
商品である以上、最低限のレベルを出さなければならない。品質、というのはとても重要だ。

この場合は、紙や表紙では無く、中身を指すが。

同人でも売買をするが、それとはまた違う。

同人と言ったのなら、基本的に同じ趣味をもった者たちが互いに批評を行うものである。

その同人と同類のレベル、という事は、商業目的で販売している意味がなくなるのだ。

「それじゃあ、俺はこれで」

「ああ、お疲れ様。今度私にも、同人誌を見せてもらえるかな？」

「元は同人作家であった人物の小説なら、この学校にもある。自分で探して見せろ」

……俺は一体何をここまで熱く語っていたのだろうか？

非常に無意味な時間だった。早く、バイト先に行かないと。

時間にもあまり余裕がないな……しかない。少し急ごう。

俺はすぐさま学校を後にして、バイト先であるコンビニへと向かった。

ここで深夜の十二時前後まで働いている。

どこかでは、十一時以降の青少年の夜間外出は禁止されているらしいが、そんなの知ったことでは無い。

別に不良行為と呼ばれる事は一切していないのだから。

それにそんな事を言っていたら、公務員を夜間外出禁止にしなければならないだろう。

夜の旅館で一体何の会話をしているんだか分かったものでは無い。

福岡県で起きた公務員の不祥事――いや、殺人事件と呼んでもいいのかもしれないな、これは。

酒に酔って車を運転して、人を殺して、しかもその場から逃げて尚且つ証拠隠滅のために水を大量に飲んだ、なんてばかげた事をやるくらいだ。

やれやれ、やる事が幼稚なんだ。当り前の事を当り前に出来ないなんて。
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