lotlotlot3-血脈の果て-
「双子か・・・。」
王も、そして大臣達も神妙な顔をしている。
「双子だと・・・何かいけないのでしょうか?」
怖くて、何も聞かずに部屋を後にするなど、とてもではないが出来なかった。
「この国は長男が国を継ぐと言った事をしておらん。」
長い髭をたくわえた老人が口を開いた。彼は先代の王の頃から、大臣をしている最古参だ。
「はぁ。」
メイドは気のない返事をし、老人の次の言葉を待った。
「実力主義と言えば聞こえがいいがの。例え長男であっても力・・・それも魔力が劣っていれば継ぐことはかなわん。そんな国に双子が生まれたらどうなると思う?」
おおよそ想像はついた。しかし、メイドはあえてわからないフリをした。
「わからんか?まだ、若いから仕方ないかもしれんの。つまり、王子達はたった今から熾烈な戦いに飲み込まれていくんじゃ。そんなのは、誰も望まんじゃろ?だからこそ、誰も双子など望んではいないのじゃ。」
思った通りだった。そして、自分の言動のせいで、王達の様子がおかしくなったわけではないと知り、安心した。
「ありがとうございます。」
深々と頭を下げ、メイドはやっと部屋を後にした。
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