lotlotlot3-血脈の果て-
「ところで、お前はいつ魔法を覚えたのじゃ?」
魔法の勉強が開始されるのは、十歳からと決まっていた。だから、まだその年齢になっていないおおてが、魔法を使えたのが不思議でならなかった。
「父上が魔法を使っているのを見ました。」
「何、それだけか?」
「はい。」
王は諸手を挙げて喜んだ。
「そうか、そうか。見ただけで使ったか。お前は色の王かもしれんな。」
「色の王ですか?」
「そうだ。色の王だ。まぁ、話に聞いただけだがの。最強の魔法使いと呼ばれている。突然、この世に生まれ、色の王だけが使う事の許されている魔法を使う。お前がそれじゃないかと思ったんだよ。」
「まさか・・・。」
そう言いながらも、心のどこかで自分がそうだったらいいと望んでいた。
「とにかくだ。ヨダセンについては気にするな。お前はこのままお前の道を歩んでいけばいい。それだけの事はしてやる。」
「はい。」
そこにはさっきまでのおおてはいなかった。未来に向かって歩き出す、そんな男の顔をしていた。

時代の流れに乗ったのはおおてだった。
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