lotlotlot3-血脈の果て-
芸は身を助ける
違和感を感じてはいた。けど、それを確かめる術はない。るるんぱは今、リーグの体内にいる。振る舞いはるるんぱのようにも感じるが、そうでもないようにも感じる。体に馴染んでいないからだけかも知れない。それに仮にるるんぱでないとしたら、目の前にいるのはリーグだ。リーグがわわに、”自分はるるんぱではない。”などと言うわけもない。
だから、もどかしかった。

「るるんぱ様。」
「なんだい、わわ?」
るるんぱは、前と同じようにロッキングチェアに腰掛け、お茶を楽しんでいた。ここまでは何も変わっていない。
「言術使い狩りは・・・これからどうなるのでしょうか?」
るるんぱの息がかかった魔法使いは、もうわわしかいない。わわが心配するのも当然だった。
「どうしようか?」
ここだ。ここに違和感を感じる。以前のような言術使いに対する憎しみが感じられない。
「どうしようかと言われましても・・・。私はるるんぱ様の命に従うだけです。」
「そっか。」
「それだけですか?」
あまりにあっけない返事に、もう一度聞き直した。
「落ち着きなよ。今、ここにいる魔法使いは何人?」
「二人です。」
「言術使いは何人いると思う?」
仲間達が対峙した情報、事前に集めていた情報を考えると自ずと人数はわかった。それをそのまま伝えた。
「少なくとも三人は・・・。」
「だね。すると、こっちの不利だよね?」
「人数だけ考えるならそうです。」
「そこまでわかっていて、わざわざ戦ったりする?わわも他のやつらと同じように死んじゃうよ。」
「かも知れません・・・。」
「だったら、ここに留まるのがいいだろう?ここカルサは魔法使いのある意味聖地だ。力が満ち溢れるのも、この土地だからなんだよ。」
「それはわかります。でも、それじゃ・・・けけやれれ、それにねねの死はどうなるんですか?」
熱く言った。
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