ちぇんじ☆
 おかしい、おかしいよ!私はこんなに困ってるのに。
 向こうは……私の体に入ってるはずの中道くんは何で『ごく自然に生活してます』っていう感じなの?

 制服着こなして、三つ編みもちゃんとして、単語帳なんか開けながら電車待ちなんかして……。

 ちょっと腹が立つ。
 同じ理不尽な境遇のはずなんだけど
 向こうは本当に何事も起こってないような生活っぷり。
 入れ替わってるんだよね?私たちって?

――頭の片隅にこびりついた違和感。

 電車の列に並んでいる自分の体に近付く。
 英単語帳に集中して私の接近に気が付かない私の体。
 列に割り込む形にならないように斜め後ろに立ち、片手で私の体の肩を掴む。

「ちょっと!アンタなんで私のことを無視するのよ!?」

 私に肩を掴まれた中道くんは目をまん丸にして私を見る。

――何が起こったか分からないといった表情。

 あれ?私が話しかけたのって私だよね?
 中道くんが中に入ってる私の体だよね?
 人違いじゃないよね?

 さっきから感じるこの違和感は……一体なんなのだろう?
< 10 / 449 >

この作品をシェア

pagetop