ちぇんじ☆
 ちょ!ちょっと待ちなさいよ!

 慌てて私もその後を追いかける。
 私の体は定期を使って駅の構内に入って行ってしまう。
 切符をもう一度買い直して私の体を追いかける私。

 改札を抜けコンコースに入ると私の体がホームに向かう階段を昇っていくのが見えた。

――な、何で私の姿を見てこんなにもスルーし続けるわけ?

 自分の体でしょ?
 それとも何かい?私の体を使って私の生活を乗っ取ろうとでもしてるわけ?
 中道くんには女の子になりたい願望がずっとあったとか?
 知らない人なので理由を想像することすらできないのがもどかしい。

 私の体を追いかけて階段を昇りきると、私の体はすでに電車待ちの列に並んでいた。
 鞄の中から英単語帳なんかを取り出して勉強してる。

 違和感が――どんどん違和感が大きく膨らむ。
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