ちぇんじ☆
「つまり、アナタは私ってことなのね?
にわかには信じれることじゃないけど……」

 人差し指で眉間を押さえながら私が言う。
 私が真剣に悩んでいるときによく取るポーズだ。

 そりゃあ、にわかに信じられないだろうけど……。
 事実なんだから仕方ない。

――信じてもらうためには何をすれば良いものか、

「じゃあ、私しか分からないことを質問してみて?
それを答えられたら私が私ってこと分かるでしょ?」

 私に提案してみる。
 どうにかして信じてもらわないと話が先に進まない。

「うーん……私しか知らないことねえ……」

 また私が眉間に指を当てて考え込む。
 自分で提案しときながらこんな事を言うのも何だが、
 自分を特定させる質問なんて考えにくいだろうと思う。
 とっさに思いつくようなものではないだろう。

「うーん、じゃあ手始めに……私の視力は?」
「右が0.01、左は0.02」

 我ながらこんなことを答えさせても証明にはならないんじゃないかと思うような質問だ。

――向こうの私もそこは同じ考えだったようだ。

「こんなんじゃ証明にはならないよねぇ……」

 と、再び頭を抱えて悩んでしまっている。
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