ちぇんじ☆
 悩むこと数分。

 外に真里を待たせてることもあって意を決して中に入ることに……!
 中にはオジサンが一人用を足してる最中。
 うーん、体は男でもうら若き乙女が見る光景じゃないよね……。
 ブルブルっと体を震わせてオジサンが手を洗う。
 なかなか用を足さない私を『何やってるんだ?こいつ?』みたいな表情で眺めながら出て行く。

――うう……この体でいるの……本当に嫌だよぉ!

 オジサンが出て行き、今度こそ誰も回りにいない事を確認。
 洗面台の前に立って顔を洗う。
 冷たい水で、しかも家の外で顔を洗うなんて一体何年ぶりだろ?
 こういう部分では男の子ってうらやましいなあと思う。
 私はあんまりお化粧はしないけど外で顔を洗うっていうのは少し抵抗がある。
 この体じゃなければ実行できなかった行為だろう。

 プハーッ!!!

 顔を洗い少しサッパリした気分で目の前の鏡を覗きこむ。

……やっぱり知らない人の顔だよねぇ。

 ほっぺたを自分でピシャッと叩いてみる。
 痛い、やっぱり夢じゃないみたいだ。

……と、次の瞬間。私は自分の目を疑うような光景を見る。

 顔が真っ青になって血の気が一気に引いていくのが自分で認識できた。
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