ちぇんじ☆
 私の頭の中に『遭難』の二文字がよぎる――。

「慣れた人で二時間くらいの道のりだよ――」

 商店で聞いたおじさんの言葉を思い出す。
 腕時計を見ると時間は午後三時。
 予定時刻をすでに一時間は超過してしまっている。
 慣れてない人でもそろそろ着いてもいいはずなんだけど……。

 すでにアテにはならないと知りつつももう一度地図を覗きこむ。

――道は……合ってると思うんだけど。

 教えてもらった道もすでにケモノ道の様相を呈している。
 悪くても登山道のような道だろう、とタカを括っていたのだが。
 少し自分の楽観主義を後悔した。

 きちんと正しい道を進めているのか分からないが――とりあえず前進あるのみだ。
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