ちぇんじ☆
先ほどまで無言だったカズちゃんとお祖父ちゃん。
二人が視線を合わせて互いに頷いた――ように見えた。

それは気のせいではなかったようで、お祖父ちゃんが話しにくそうに口を開く。

「あのな……かすみちゃん」

何か心当たりでもあるのだろうか?
どんな些細なことでも良い。今はこの事態を解決するためのヒントが欲しい。
そう思う私は何も話さないままでお祖父ちゃんの言葉の続きを待つ。

「この……『入れ替わり』なんじゃけど……」

お祖父ちゃんは非常に話しにくそうだ。
途切れ途切れ、テンポが悪くなっている。
やはりお祖父ちゃんは何かを知っている――。

そう確信しつつ、事態を大きく進展させてくれるであろうお祖父ちゃんの言葉を待つ。
沈黙が場を支配し、緊張感が私を包む。
お互いの呼吸の音が聞こえてくる。
これ以上静かになればお互いの心音ですら聞こえてきそうな――そんな緊張感だ。

ふう、と一呼吸置いてついに――お祖父ちゃんが口を開いた。

「事情も良く分からんことじゃし、とりあえず朝飯にせんかね?」

ズテッ!!!
緊張して構えていた分、リアクションも大きく派手にこけてしまった。

――ノンキに朝飯食べてる場合じゃないでしょ!!!
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