ちぇんじ☆
 同じ布団の上に並び、手を繋いで横になる。
 悪霊の影響によって熱を出し、息も荒い直哉くんの呼吸。
 その呼吸のリズムに合わせてカズちゃんが呼吸する。

 『入れ替わり』を果たすために、少しでも二人が同調するように――。

『熱が一気に上がったみたいに体が熱くなるんだ――』

 その時の状況を補足したカズちゃんの言葉だ。
 熱くなった体は少しずつ自由を失う。
 手、脚が重くなり徐々に痺れを帯びてくる。
 完全に手足が動かなくなる頃、体中に痺れたような感覚が広がっている。
 その痺れは体の中心に向かい――最後には脳の中心まで痺れたようになる。

――何を見ることも、聞くことも……考えることも出来ない状態になる。

 どれくらいの時が流れたか分からなくなる頃、少しずつ痺れが取れてくる。
 まるで朝にかかった霧が朝陽を受けて消えていくようにゆっくりと――。

 その痺れが取れて体に自由が戻る頃――『入れ替わり』は完了していた。
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