バトンクッキー
おれが手を上げ、緊急事態のタイムをかけようとすると、水原は「躓いただけです」と白い歯を見せる。
「大丈夫か?」
ゴリも心配そうに尋ねると、水原は「すいません」と、笑顔を振り撒く。
無理をしているのは誰の目にも明白。
水原の疲れは下半身にまで達している。
それでもおれは「イケるか?」と非情なことを訊かなければいけない。
かえってくる返事がわかっているのに……。
「まだイケます!」
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