バトンクッキー
ゴリの動きも止まった。
ということは渡辺がスクイズをすると読んで、作戦を変更するのか?
サインの最後に三浦は自分の胸を任せなさいといわんばかりに握り拳でドン!と叩いた。
そのサインを考案した三浦でさえ、試合中にまず出すことはないだろうと自分で言っていたサインだった。
「もし相手の監督のサインを見破ったらこうやって握り拳で胸を叩きます」
「そんなことができるのか?」
「春季大会のときも共南の監督さんを見ていたので、なんらかの法則に気づくかもしれません。でも、試合中に解ける確率はかなり低いですけど」
三浦は苦笑いしていたが、まさかこの大事な場面で、そのサインが出るなんて……。