バトンクッキー
8番高槻に投げたときと同じく、水原は下半身の粘りを使えず、腕力だけで抑えにいっている。
投手は自覚がなくても自然と失われた力をどこかで補おうとしてフォームを崩す。
違いは微妙だが、球のキレは一球ごとにガクッと落ちてきている。
4打席目になって水原の球速や球筋にせっかく慣れてきたところで、手元にきてからの伸びがなく、タイミングがずれ、若干スイングするのが早かったようだ。
勝負の綾というは目に見えない僅かなことで左右される。
いまのファウルフライも風がグラウンドの方向に吹いていれば、おれたちの勝ちだった。