愛の雫
しばらくすると足音が聞こえ、部屋のドアが開いた。


「あれ?もう起きたの?いつもは起こしても起きないのに、着替えまで済んでるし!」


中に入って来た早苗が、悪戯っぽい笑みを見せる。


「あっ、うん……」


「どうかした?」


「えっ?」


「何か変……。ちょっと顔色も悪いし」


様子がおかしい事に気付いたらしい早苗が、あたしの顔を覗き込んだ。


「早苗、ごめん……」


「ん?何が?」


「あたしのせいで……」


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