愛の雫
「いつも思うんだけど、希咲ってあんまり寒くなさそうだよね……」


「そんな事ないよ。あたしも結構寒がりだから、マジで寒いし……」


「ふぅ〜ん……」


一瞬だけ怪訝そうな表情をした絵里香は、携帯を開いた。


「そういえばさぁ……」


「何?」


絵里香を促すように訊くと、彼女は眉を潜めながら口を開いた。


「泰人と別れたんだって?」


「え……?」


突然その事に触れられて驚いたあたしは、目を見開いたまま何も言えなくなった。


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