愛の雫

「だけど、誰かを好きでいる事で頑張れる事だってたくさんあるから……。報われないかもしれなくても、誰かを好きでいる事は大切だと思うの……」


乃依さんの言葉に大人しく耳を傾ける事が出来た理由は、自分でもよくわからない。


ただ、彼女も辛い恋をしているんだと思えて、胸の奥が苦しくなった。


「だからね、あたしも希咲ちゃんも無謀な恋なのかもしれないけど、相手の事をただ好きでいるだけならイイんじゃないかな？」


どこか切なげな笑みを浮かべていた乃依さんは、ニッコリと微笑んだ。