愛の雫
部屋にいた金髪の男が、いつの間にかテーブルを部屋の隅に動かしていた。


ニヤニヤと笑いながらこっちを見ているその男は、この状況を楽しんでいるとしか思えない。


恐怖心に襲われながらも、ふと視界に入った絵里香に砂粒程の安堵感を抱いた。


「絵里、香……」


名前を呼ぶだけで精一杯だったあたしは、絵里香に助けを求める事が出来なかったけど…


「わかったよ……」


微笑みながら呟いた彼女に、自分の願いが伝わったんだと思った。


だけど…


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