愛の雫
「ちょっ、やめてよっ!!」


泰人は、抵抗するあたしの言葉なんて聞き入れもしないで、公園の奥へと進んでいく。


数メートル歩いた所で、茂みに連れ込まれてしまった。


「泰人っ!!離してっ!!」


大声で叫んでも、泰人は力を緩めてはくれなくて…


それどころか、抵抗するあたしの顎を強引に持ち上げると、あっという間に唇を塞いだ。


「……っ!」


その瞬間、泰人から離れようと必死になっていたあたしは、咄嗟に彼の唇を噛んで手を振り払った。


< 69 / 830 >

この作品をシェア

pagetop