愛の雫
胸の奥が熱くなるのを感じながら、ゆっくりと口を開いた。


「ありがとうございます……」


「希咲ちゃんが辞めちゃったら、スタッフが寂しがるからね。特に、俺の横でギャーギャー騒いでる乃依とか……」


店長の言葉に、彼の隣にいる乃依さんが何か言ったみたいで、電話口から賑やかな声が聞こえて来る。


店長が何か言う度に、彼女も反論するように言葉を返している。


電話の向こうで繰り広げられているいつもの二人のやり取りに、あたしは思わず小さな笑みを零していた。


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