愛の雫

「奈緒ちゃん？」


ドアをノックしながら控えめに呼び掛けてみたけど、しばらくしても奈緒ちゃんからの返事は無い。


あれ……？


不思議に思いながらも、もう一度声を掛ける。


「奈緒ちゃん？……入るよー？」


ゆっくりとドアを開けてみると、ベッドで眠っている奈緒ちゃんが視界に入って来た。


きっと彼女も、疲れてしまったんだと思う。


「寝ちゃったんだ……」


静かに部屋の中に入ったあたしは、ベッド脇に敷かれていた布団の上に腰を下ろした。