わたしの、センセ
第七章 甘いヒトトキの後に
―さくらside―

朝8時、センセから貰ったばかりのさくら色のヘルメットで、家の近くまで送ってもらってから別れた

センセはこのまま学校に行って、部活をしてから家に帰るって言ってた

まだ少し熱いわたしの身体を、センセはすごく心配してたけど…これくらいの熱なら平気だよ

今日一日、寝ていれば夜には下がると思うし

明日は、学校に行けると思う

ううん、絶対に学校に行くよ

だってセンセに会いたいもの

一秒でも一分でも多くセンセの姿を見ていたいよ

誰よりも多く…センセの視界に映ってたい

センセが好きな気持ちは、誰にも負けないもの

わたしは鞄をかけ直すと、家の門に向かって歩き出した

これくらいの距離なら、運転手を呼ぶ必要もないし、歩いて帰れる

来週末はセンセと過ごせるかな?

パパとママは、来週もいないの

週末って、そう言えばいつもいないなあ

日本に居ても、仕事で遠くの地域に出張とか…ゴルフの旅行とかって、何かしら予定が入ってる

家に居て、家族でどこかに出かけるなんて……無い

パーティとか

わたしは好きじゃないけどね

大勢の人がいるところって、すごく気を使うし、知らない人たちばかりで緊張するから好きじゃない

見知った人たちのパーティだって、30分もいれば疲れて微熱程度の熱が出ちゃうのに

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