わたしの、センセ
僕は膝から床に落ちた

力が入らない

頭がクラクラする

刺された箇所が、熱い

「悠真、しっかりしろ。すぐに救急車を呼んでやる」

勇人さんがスーツの上着を脱ぐと、僕の傷口の上に置いて止血をしてくれた

片手で携帯を握りしめて、勇人さんはどこかに電話をしてくれる

僕は床に倒れたままで、勇人さんの腕を掴んだ

「さくらに……伝えて…」

「自分で言えっ! 馬鹿野郎っ、お前は生きるんだよ」

勇人さんが、怒鳴る

僕は浅くなる呼吸の中で、必死に口を動かした

「愛してるって…言って…」

さくらを愛してるんだ

さくらと一緒に、生きたい

さくらと……



『悠真、独りじゃないよ』


……耳元で、真央の声がした
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