孤島の結束
ロックオン２
　キッチンの時計を見ると、既に夕方五時を過ぎていた。

　この建物は窓が一つしかない為、昼でも夜でも同じだ。


「タイ米、お前一人でビール飲んでたのかよ！　そろそろ夕食の支度に取り掛かれよ。七時には食堂に集まるから。間に合う様にな！　じゃ俺達遊技場に戻るから」


　双子のケンとマサがキッチンに現れて、そう告げると遊技場に戻って行った。

　うるせぇ奴らだ。夕食も俺が作らなきゃならね〜のかよ！　めんどくせぇ。料理のファイルを見て、なるべく簡単な料理を選び、支度に取り掛かった。

　七時になり、俺は料理を食台に乗せ、食堂に運ぶと全員が席に着き、何やらざわざわしていた。


「彩どうしたのかしら？　疲れてるみたいだったから寝てるのかなぁ」


　ひとみは心配そうにしている。


「女王様だからなぁ、下手に寝てるとこ起こして怒鳴られるのも嫌だしさ」


　松島悟が嫌そうな顔をして言った。


「だよなぁ〜。俺は起こしに行くの嫌だぜ！」


　すると、マジタニは手でジェスチャーしながら、そう言った。


「でもみんなで食事して、乾杯したいんだけどなぁ」


　双子のケンとマサが困った顔をしていた。

　ふと俺は視線を感じて可奈子を見ると、俺ではなく、俺が運んできた料理を見ていた。こいつ食う事しか頭にないのか？　このメス豚め。


「タイ米、彩呼んで来いよ！　お前彩に惚れてんだろ？　だったら行けよ」


　田中は冷酷な顔で俺に命令し、タバコを吸っている。
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