孤島の結束
 そういうわけで俺は今、待ち合わせ場所の港に来た所だ。


「タイ米〜。早かったねぇ、道混んじゃって私疲れちゃったぁ」


 でかい声で俺をタイ米とあだ名で呼んだこのバカ女は、声だけでなく体もでかい。しかも特大のキャリーバッグを持っている。

 食い物でも入ってんじゃね〜か? セレブと気取って、どうせ毎日美味いもんでも食ってるんだろうな。

 名前は、細井可奈子。
 可奈子の子を取れば、ほそいかな? になる。太ぇ〜よと俺は心の中で毒舌を吐いた。


「あ〜可奈子、タイ米! 久しぶり〜」


 次に登場したのは、まあまあな美人でスタイル抜群の、松島ひとみだ。
 一緒に来てひとみの隣にいる男が、今はひとみの旦那である、松島悟。

 学生の頃から付き合っていて、松島悟が俺をいじめている時、よく隣で「やめなよぉ」と泣いていたひとみと結婚したのは自然の成り行きだったんだろう。松島悟は長身でなかなかのイケメンであり喧嘩が強かった。今は優秀な外科医で、病院長の息子だ。

 次に無言で登場したのは一番陰険な、田中友彦。
 こいつは口数が少ないくせに平気で残酷な事をする奴だ。仕事はIT企業の社長だが、身長はミニサイズである。服は子供服で十分だろう。



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