孤島の結束
プロローグ
 俺は前田五郎、四十歳独身。

 職業は無職、俗に言うニートってやつだな。
 趣味は部屋に篭ってネットサーフィンする事。海でするサーフィンは全く出来ないが、ネットサーフィンはプロ顔負けだ。

 身長は百八十五センチと高いが、体は痩せすぎている。顔にはあまり自信がない。目は細くつり上がり、アゴがシャクレていて全体的に細長い輪郭の為、子供の頃からあだ名は【タイ米】だ。

 俺は勉強も出来なければスポーツも出来ない子供だった。
 ずっとイジメにあっていたが、高校時代のイジメは一番最悪だったな。
 イジメグループの八人の男女。
 この八人には、いつか復讐してやろうと根に持ってきたが、とうとう俺にもチャンスが巡ってきたんだ。こいつらは生意気な事に全員出世していて、男五人はいくつも会社を経営する社長であり、女三人は金持ちの男を騙したんだろう、今ではセレブと気取っていやがる。

 男五人のうち一人、正確には双子なので二人が、無人島を買い占め大きな別荘を建てた。お祝いに一週間泊まりでパーティーをする事になり、そのパーティーに何故か俺も呼ばれている。

 同窓会でも、いいように俺をコキ使っていじめてきたくせに、どうせパーティーでも、いじめるつもりだろう? だがそうはいかねぇ。美味いもん、たらふく食った後に俺は奴らに復讐するんだ。

 何も知らない豚野郎どもめ。


< 1 / 47 >

この作品をシェア

pagetop