孤島の結束
 俺はまだ気持ち悪くて何も答えられなかったが、考えていた。

 どういう事だ? 俺はマジタニを殺してね〜ぞ。それに、可奈子といいマジタニといい何でナイフなんだ? おかげで血を見て気持ち悪いじゃねぇ〜か。ん? ナイフ? 俺は立ち上がりキッチンへ向かった。

 キッチンに置いてある包丁や果物ナイフを確認しようと思ったのだ。

 確か包丁が二本に、果物ナイフが二本あったはずだ。

 案の定、果物ナイフが二本ともなくなっていた。


「どうしたの?」


 ひとみが俺の後を追ってきたようだ。


「いや、果物ナイフが二本ともなくなってる」


 俺がそう言うと、


「もしかして、可奈子とマジタニは、ここにあった果物ナイフで?」


 ひとみはそう言って黙った。

 食堂に戻ると、松島悟と双子のケンとマサが丁度入ってきた。

 どうやら俺がまたしても具合悪くなった為、三人でマジタニの遺体を部屋に運んだらしい。


「どう考えても、もうこの中に犯人が居るとしか考えられないな。外部犯がいるか確かめる為に、玄関は昨日厳重にロックをかけて、誰も外に出入り出来ない様にしたんだ。外部犯なんかじゃなかったって事だよ」


 双子のケンとマサがハッキリとそう言った。

 俺はこの中のある人物に疑いを持ち始めていた。
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