空が青いって誰が決めたの?

それもそうだろう…。




私も渚の立場になったら、
絶対そう思うに違いない。




「…今も仲良くしてるの?」

「ああ…口止めされたからな」

「……そっか」

「父親は騙されたことに気づいてない」

「教えなくていいの?」

「父さんが幸せなら俺はいい」

「……」

「言ったら絶対に俺みたいになるから」




渚はお父さんのために、犠牲にした。




自分と同じように女を嫌いにならないように。




「……じゃあなんで私には……」

「瑞葵は違う、顔で選んだりしない」

「…まあそうだけど」

「それに俺より重いものを抱え込んでるし
ほうっておけない」




女嫌いなのに、どうして私を抱きしめてくれるのだろう。




この手に何度温かさを教えてもらったことか…
数えきれないほどある。




< 191 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop