Expansion-エクスパンション-

*ディラン

「スナイプ星が……」

 老人はか細くつぶやいた。

「……」

『球を生み出した責任』

 星はそう言った。

 己自身でも止められないモノにさえ責任がともなう。

 それがこんな結果にもなるのか。と、白銀は大きな輝きを放ち崩壊してゆく星を見つめた。

 惑星は消滅は免れたようだがもはや人が住める星ではなくなった。

 白銀は小さく溜息を漏らしてシートの背もたれに体を預ける。

「とりあえず……残りの金を貰おうか」

 切り替えてナナンに発した。

「故郷が消えて泣いておる老人から金を取るとは悪人じゃな」

 白銀はふっ……と薄笑いを浮かべた。

「そう言うと思ったよ。こっちもな、前金100万で星をぶっ壊すとは思わなかったね。後の200万よこせ」

 実際は仲介料込みなので彼に丸々100万が入る訳ではない。

「そんなものをむやみに持ち歩くと思うのかね?」
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