偽りの結束
「私気分悪いから、お手洗い行ってくるね」


「俺も行くよ。ひとみ1人じゃ心配だから」


「私も一緒に行くよぉ」


 マジタニと可奈子がそう言ってくれたので、透達はあえて来ようとはしなかった。良かった、私は安堵した。信じられるのは仲間だけだから。

 私とマジタニと可奈子だけになった途端、私は考えている事を話した。


「ひとみは切れ者だからなぁ。俺はひとみの予想、当たっている様な気がするぜ」


「私も! それにね本当に透さんって、今日子さんの彼氏だったのかなぁ、あまり悲しんでる様に見えなかったし、佐藤さんと和美さんも、何か恋人同士に見えないんだよねぇ。」


 マジタニと可奈子の存在がありがたかった。

 それに可奈子が言う通り、あの二組のカップルは、恋人じゃなかったとして、何故恋人の振りをする必要があったんだろう?

 和美がマジタニに悪態をついて、叱るはずの佐藤が叱らず、マジタニが文句を言った時、透が佐藤をかばっていた所をみると、おそらく透は、佐藤と和美が恋人の振りをしている事を知っていた?

 まだ分からない事が多すぎる。とにかくまず車を調べなければ。
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