約束
「そうだったの・・・!?」


あの優しい男の子が。


そして私の初恋の相手が。


矢上くん・・・・だなんて。



「オレは・・・・一目見たときからわかったよ。香ちゃんがあのときの子だって。」



うそ・・・!



「オレはあのとき、このまま離れるなんてやだって、思ったから約束をしたんだ。もしもあの「かおり」ちゃんていう子が覚えていなくても。」


矢上くんが私の隣に座った。


「そしてこの学校に転校してきて、かおりっていう女の子がいたからまさかって思ったんだ。そして話してみて確信した。ああ・・・この子だって。」


私たちは10年ぶりに再会を果たした・・・・


「そうだったんだ・・・・」


私は驚きであまり言葉を発することができない。



「オレ・・・すごく不安だった。かおりちゃんがこなかったら・・・覚えていなかったらどうしよう。そして・・・好きな人や彼氏がいたらどうしようって。」



「え・・・?どういうこと?」



「オレは香ちゃんのことが好きだ」


その一言を言われた瞬間。


時が止まったような感覚がした。


そしてそれと同時に。


とめどなく涙があふれた。


「・・・・っ」



私は今日この場所にある決意をしてきた。



あの子に・・・・


好きだって伝えようと。


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