約束
そしてあの頃の私たちはひとつの約束をしていた。


幼い頃の私たちの約束。


あのときは子供だったから、あの子が今でも約束を覚えているかはわからない。



でも確かに私たちは約束をしたんだ。



私にとっては大切な約束を・・・







そよそよ・・・



ばんそうこをはってくれた後も、男の子はずっといっしょにいてくれた。



「ねえ、キミの名前はなんていうの?」


「あたし?あたしはかおりっていうんだよ。」


「そうなんだ。かおりちゃん。」


「うん!あなたの名前は?」


「ぼくの名前はね・・・・


そのときどこかの家の犬がワンワンと大きな声でほえた。



・・・・っていうんだよ。」


「え?なあに?わかんない・・・」


もういっかいいってといおうとしたとき男の子が先にいった。


「・・・ぼくたちもう会えないのかな?」



「そっ・・・そんなのやだよ!かなしいよ・・・」


「じゃあ・・・10年後の今日この時間にまたこの公園にきてくれる?」



「うん。あたし、ぜったいにくる。」



「うん。ぼくもぜったいくるよ。」



そういった後に私のお母さんがきたんだ。

< 7 / 21 >

この作品をシェア

pagetop