約束
「じゃあ・・・あの公園は家から近かった?」


とりあえず聞いてみる。


「そうねえ・・・市内だったと思うし・・・そうだ。近くに川がある公園だったわ。」


「川・・・?」


記憶をめぐらせてみる。


そうだあのとき。


そよそよとした風の音の他に、川の水が流れる音がしたような気がした。


「もう・・いきなりどうしたの?迷子になったときの公園なんて・・・」


「別になんでもないよ!」


そういって私は残りのクッキーと紅茶をもって自分の部屋へ足早に入った。


「あぶない・・・この約束は私とあの子だけの約束なんだから・・・・」


男の子と誓ったんだ。


このことは誰にも内緒だよ、と。


そして一刻も早く公園の場所を知るために私は地図をひっぱりだしてきたりした。


「近くに川がある公園・・・」


川をたどっていく。


そして市内で近くに川がある公園は3ヶ所あった。


「3ヶ所・・・どうしよう。」


でも・・・あの子との約束・・・・破るわけにいかない。


「よしっ決めた!」


今日は金曜日。


明日は土曜日でなんの予定もないはずだ。


私はその3ヶ所の公園をすべていってみることにした。


場所だってすべてそう遠くはない。


「絶対に・・・いくんだから。」




私の誕生日はもうすぐだった。


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