主従関係
ワンアウト満塁。


皮肉な事に4番バッターは藤堂だった。


この勝負で決まると思った。


圭がランナーを牽制しつつ、大きく振りかぶった。


「カキーンッ!!」


藤堂の打った球はセンターへ!!


渡辺先輩頼みますっ!!



「ボスッ」


さすが渡辺先輩!!危なげなく、フライをキャッチ。

三塁ランナーはすでにホームを踏み1点入った。


1-1の同点だ。


直ぐさま、俺の方に投げてきた。


ボールが左の方来たので走った。


ズキンっ!!


踏み込んだ時に打撲した右足に鋭い痛みが走った。


くっ…。


一瞬、遅れを取ったが自分を奮い立たせ、急いで転がってくるボールを拾い、キャッチャーの湟に投げる。


慌てて投げた為、湟が右上にジャンプしてキャッチした。


「セーフ!!」


「「ワアア…!!」」



…負けた。



1-2Xのまさかの逆転サヨナラ負け…。


ガクッと膝から落ちた。
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