主従関係
11章
パーティーが終わり、ドレスを脱ぎ、こざっぱりした服に着替え、櫻庭邸に戻った。



自分の部屋に向かう途中でエリカさんに出会った。



エリカさんもドレスから普段着に着替えていた。


「花蓮さん、今戻ったの?」


「はい。今日は、お越しいただいて有難うございます。」


「ううん。こっちこそ楽しかった!」


にこりとエリカさんが笑った。


「お願いがあるんだけど……。」


神妙な顔つきでエリカさんが見つめてきた。


……何だろ?


エリカさんの表情が真剣な面持ちでただ事じゃない感じがした。


「なっ、なんでしょう?」

ゴクリ。と喉を鳴らし、聞いた。
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