主従関係
私はただこの状況にハラハラと見つめるだけしかできなかった。



「わたくしは……本郷の人間です。わたくしが本郷の家を継ぎます。」



エリカは真っすぐ、本郷様の目を見据え、リビングにはエリカの清んだ声が響いた。



「なっ……そんな甘いもんじゃないんだ。お前は女なんだから家の事は気にせず嫁げばいい。……それがお前の幸せなんだから」



そう言って顔を真っ赤にした本郷様は席を立った。



「見苦しい所を見せてすまない。娘は気が立ってたみたいで気にしないでくれ。」



櫻庭様ご夫妻に頭を下げ、部屋から出て行かれた。エリカは悔しそうに顔を歪めた。


「お父様は……わたくしを認めてくださらないのね……」




はっとなった。エリカの瞳には涙が滲んでいた。
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