主従関係
14章
〜花蓮Side〜



あれからずっと寝たきりだった。



食事も喉を通らなく、やせ細って体力が落ちていったのが分かった。



私……どうやって食事採ってたっけ?



父や母、弟の粋蓮も心配し何度もお見舞いに来てくれた。



「こんな事になって申し訳ない……。」



特に御祖父様には自分を責めていらっしゃった。



皆に心配かけて……。



早く元気にならなきゃいけないのに身体が言うことを聞いてくれない。



目を閉じると瞼の裏に直人様の「花蓮!花蓮!!」と私を呼ぶ眩しい笑顔が写る。



もう私の名前を呼んで貰う事もその優しい笑顔を向けて下さる事もないんだ。と思うと再び涸れる事の知らない涙がとめどなく流れる。





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